電離層シンチレーションモニタリング

電離層、シンチレーションおよび衛星信号

Septentrio-iono-scintillation-phase-and-amplitude-effect-on-GNSS-receiver
Scintillation affects both phase and amplitude of a GNSS signal

GNSS衛星からの信号は、2万キロの距離の大半をほぼ遮られることなく地球へと送られてきます。ただし、地球の大気圏、特に電離層、つまり地球の上空100~1000 kmにある電気を帯びた層でGNSS信号が屈折したり回折したりすると、信号に遅延や歪みが生じることがあります。 

その名が示すとおり、電離層は、太陽からの高エネルギー粒子との相互作用によって帯電または電離した粒子を含んでいます。この電離粒子がなだらかに、または均一に分散されると、GNSS受信機はモデルを使って、電離粒子による衛星信号の影響を考慮することができます。問題は、電離層の粒子が不規則な場合に生じます。この不規則性は電離層の電子密度の局所的な変動であり、GNSS信号の位相と振幅を歪ませて、シンチレーションとして知られる変動を生じさせることがあります。

Distribution of iono scintillation events across the world
Distribution of high S4 iono scintillation events across the world, 2009 Kintner

発生地域

シンチレーション事象は、磁気赤道周囲の地域、そして範囲はそれより狭まりますが、南極・北極で最も頻繁に集中して起こります。他の自然現象と同様に、その出現は予測不可能であり、シンチレーション事象は西欧と米国の中緯度地域で報告されています。

solar_flares-copyright-by-nasa
Solar flares (c) NASA

発生時期

太陽の活動は、黒点の数で判断されているように、11年周期で行われていることが十分に立証されています。太陽活動のピーク時期は、太陽フレアが頻繁に発生するという特徴があり、高エネルギー陽子とX線の強力なバーストを放ちます。この粒子が地球の大気と相互作用することで、太陽活動のピークに近い年にはシンチレーション事象が増加します。 

シンチレーション現象は一日の間にも変動を示し、日没になると電離層活動が急激に増加し、これが数時間続く場合があります。 

S4 Ionospheric scintillation events observed in Brazil
Iono S4 scintillation indices observed in Brazil with PolaRxS on 26th March 2011

GNSS測位におけるシンチレーションの影響

GPS、より一般的にはGNSS(グローバルナビゲーション衛星システム)受信機は、地球を周回する衛星からの信号を使って自身の位置を計算します。太陽活動が活発になると、電離層にいわゆるシンチレーション事象が発生して、衛星信号の質の低下を招く可能性があります。標準的なGNSS受信機の場合、軽度のシンチレーションによって最大数メートル、位置精度が落ちることがあります。さらに大きいシンチレーションが生じると、サイクルスリップが発生するか、極端な場合には信号ロックが全失する可能性があります。このような時期には、普通の無線通信にもシンチレーションで深刻な干渉が生じます。したがって、ブラジルで精密農業を営んでいる場合でも、アラスカで石油探査を行っている場合でも、シンガポールで大規模建設プロジェクトを進めている場合でも、電離層への耐性を必ず高精度GNSSシステムに組み込む必要があります。

電離層、シンチレーションおよび衛星信号

GNSS衛星からの信号は、地球への20,000キロの道のりの大部分を大幅に妨げられくことなく進みます。しかし、地球の大気圏、特に地球の上空100~1000 kmの間にある帯電した層、電離圏におけるGNSS信号の屈折と回折は、信号に遅延と歪みをもたらす場合があります。 

その名の通り電離層は、太陽の高エネルギー粒子との相互作用により荷電したまたはイオン化した粒子を含んでいます。これらのイオン化した粒子が滑らかにまたは均一に分布している場合、GNSS受信機はモデルを使用して衛星信号に与える影響を考慮に入れることができます。電離層に不規則性があると問題が発生します。この不規則性は、電離層の電子密度の局所的なゆらぎで、GNSS信号の位相と振幅を歪め、シンチレーションとして知られるゆらぎを生み出す場合があります。電離層シンチレーション (IS) は通常、以下の2つの指標で特徴付けられます。

  • S4: 振幅シンチレーション指数 
  • σφ: 位相シンチレーション指数

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IONO+_Septentrio PolaRx5 scintillation monitoring accuracy reliability robustness

発生地域

シンチレーション現象は、磁気赤道周辺の地域で最も激しく頻繁に発生していますが、比較的規模は小さいもののる極地域でも発生します。他の自然現象と同様、その出現はは予測できません。西ヨーロッパや米国の中緯度地域でもシンチレーション事象が報告されている。

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Scintillation on earth IONO+ Septentrio Ionospheric Scintillation Monitoring

発生時期

太陽黒点の数によって測定される太陽の活動は、よく知られている11年周期に従います。太陽活動のピークは、高エネルギー陽子とX線の強力なバーストを発生させる高頻度の太陽フレアによって特徴付けられます。その後、これらの粒子は地球の大気と相互作用し、太陽活動のピークに近い年にシンチレーション現象を増加させます。また、シンチレーション現象は一日の間にも変動を示し、日没になると電離層活動が急激に増加し、これが数時間続く場合があります。 

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SolarFlaresScintillationSeptentrio

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Scintillation Septentrio Accuracy Reliability PolaRx5S PolaRx5 IONO+

シンチレーション現象は一日の間にも変動を示し、日没になると電離層活動が急激に増加し、これが数時間続く場合があります。 

GNSS測位におけるシンチレーションの影響

GPSまたはより一般的には、GNSS (グローバルナビゲーション衛星システム) 受信機は、地球を周回する衛星からの信号を使用してその位置を計算します。太陽活動の増加は電離層でいわゆるシンチレーション現象を発生させる場合があり、これが衛星信号の質を低下させることがあります。標準的なGNSS受信機では、軽度のシンチレーションは位置精度を最大数メートル低下させます。より強いシンチレーションはサイクルスリップを引き起こしたり、極端な場合には、信号ロックの完全な損失を引き起こしたりすることがあります。通常の無線通信でもシンチレーションによって深刻な妨害を受ける可能性があります。そのため、ブラジルでの精密農業、アラスカでの石油探査、シンガポールでの大規模な建設プロジェクトなど、作業にかかわらず、使用する高精度GNSSシステムに電離層に対するロバスト性が組み込まれていることを確認するようおすすめします。

 

IONO+アルゴリズムの強化

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Ionospheric Scintillation improved algorithms iono+ Septentrio

シンチレーションに悩まされることの多いブラジルで、さまざまなプロジェクトに関与したことによる成果として、セプテントリオはIONO+テクノロジーを開発しました。IONO+を搭載したセプテントリオの受信機は、標準的な受信機にとっては困難な状況で信号を追跡し続けることができます。また、セプテントリオの受信機は、シンチレーション現象を認識し、位置精度に及ぼす悪影響を軽減します。上のグラフは、シンチレーション現象発生時にスタティック受信機によって計算された高さを示しています。IONO+アルゴリズムは、シンチレーションの影響を受けた信号を正しく識別して、位置計算から削除します。

IONO+テクノロジーの目的は、通常のアクティブ状態にある電離層とシンチレーション発生時の電離層両方の悪影響を軽減することです。標準的なRTK測位では通常、基準局のネットワークを用いて電離層による遅延を移動局の位置で補間します。IONO+を使用した場合、電離層遅延は内部で推定され、ネットワークまでは必要ありません。ベースラインが最大40 kmの単一の基準局で十分です。(電離層が静かな状態であれば最大80 km)

詳細情報と例については、当社のテクニカルペーパーをご参照ください: CALIBRA: ブラジルにおける精密単独測位 (PPP) に対する電離層シンチレーションの影響の軽減